1. HOME
  2. お知らせ
  3. インタビュー:ベンチャー稲門会員 TradFit株式会社 代表取締役 戸田社長

NEWS

お知らせ

インタビュー

インタビュー:ベンチャー稲門会員 TradFit株式会社 代表取締役 戸田社長

「世界中の音声情報を整理し、世界中の人々に音声を通じてより良い暮らしを提供する」という目的を掲げて2017年に設立されたTradFit株式会社。COVID-19の影響下で苦戦する観光・宿泊業界に貢献・寄与すべくAIスピーカー向けソフトウェアサービスや有人とAIのハイブリッド型チャットシステムを独自開発したサービスなどを展開し注目される中、同社の代表取締役でベンチャー稲門会の会員でもある戸田良樹氏にインタビューを行いました。


TradFit株式会社(トラッドフィット)
代表取締役
戸田良樹 氏

早稲田大学政治経済学部卒業。当社創業前は野村證券株式会社に入社。野村グループ入社式にて約1000人の総代を務める。大阪本店にて個人、法人富裕層に対する資産コンサルティング業務、大阪の投資銀行部門における上場企業の国内・海外M&A、ファイナンスのアソシエイト業務や支店企画業務などを経て、野村ホールディングス株式会社グループ広報部へ出向。野村グループ全体の国内外メディアへの広報業務を経て、野村證券株式会社の投資銀行部門へ配属。主にITセクターに特化したIPO支援、資金調達、企業買収などの助言業務、同部門のIB企画部にて国内外の米州、欧州(EMEA)、APAC(日本を除くアジア)、日本の戦略企画業務、予算策定、グローバルITリサーチ業務などに従事。独学でプログラミングを学習し、復習・さらなる成長目的でプログラミングスクールにてフロントエンド、サーバーサイド、DB、API、サイバーセキュリティーまで幅広く習得。AWS、GCPなどのPaaS、SaaSなど開発領域及びビジネス領域両方に精通。また、前職の経験などを通じ国内外の幅広いテクノロジーやスタートアップの成功や失敗の本質を経験・体験してきた。

◎事業内容を教えてください。

COVID-19の影響下で苦しんでいる観光宿泊業界を助けたいという想いのもと、足元と今後の宿泊施設の抱えている設備投資コストや雇用を守りながらの省人化(元々、省庁の発表データからサービス産業の中でも特に人手不足が顕著な業界構造でしたので省人化が必然的に求められる業界です。)、多言語対応を可能とし、さらなる収益性改善、ワークライフバランスに繋がるDXサービスを開発・提供しています。

具体的には、宿泊ゲストなどがAIスピーカーで活用するソフトウェア、有人とAIのハイブリッド型チャットシステム、事業者向けの管理画面をシームレスに繋げたソフトウェア開発・提供です。

◎創業の経緯を教えてください。

観光・宿泊が好きで海外旅行での言語の壁に痛みを感じ、世界中の旅行者と対話する中で、自分自身が感じた痛みは世界共通、識字率が低い国々が存在し、不平等・不均衡によるあらゆる格差が存在してしまっているという原体験・不都合な真実を実際に突きつけられ、大きな社会課題や解決するための問いに身をもってぶつかったという原点があります。また、前職時代に担当したお客様の中に、音声サービス事業を展開していたお客様がいました。お客様の事業拡大のため、音声市場の可能性や今後の普及などについて国内外でリサーチを行いました。当時、USではPODCASTが相当普及しておりました。日本ではPODCASTのような音声サービスは比較しますとそれほど普及していない時期だったのですが、海外に目を向けたときに音声メディアのみならず、音声サービスの可能性やあらゆる産業への広がりや世界中の社会課題解決への高いポテンシャルを直感的に感じました。

サービス開発・提供時、COVID-19は発生していない時期でしたから、どのような産業や業界により大きな課題や痛みがあるのかを模索、リサーチする中で、サービス産業に大きな社会課題や痛みがあり音声サービスを軸に解決可能なのではないかと仮説を立て、サービス開発前にインタビューやプロトタイプを用いて検証を行いました。その中でも宿泊と飲食業界は入職率と離職率がほぼイコールな業界構造で蔓延する人手不足、人材の流動性が高いことが事実として分かりました。上記の仮説検証を行う中で親和性が一番高いと判断したのが、観光・宿泊業界などでした。
多言語対応、人手不足、離職率の高さに加え、ワークライフバランスが取りづらいなどの課題や多くの痛みのある課題を現場の方々や宿泊ゲストとの対話を通じ、現場の生々しい声を吸い上げる中で課題を明確化し、仮説検証を通じて解決すべき大きな社会課題と確信しました。
「国内で、社会課題の解決に繋がる本質的なサービスはなんだろう」と突き詰めて考えた結果、現在のサービス開発を行う事に至っています。

本格的な開発に入る前にプロダクトのプロトタイプを作成し、国内外の旅行者の方々や宿泊施設を運営する事業者のあらゆる部署に泥臭く多くの現場で業務をされている生の声を聞いて抽出し、解決課題の大きい順に優先度・緊急度で分解する事を地道に行いました。その結果、旅行者の方々は旅前・旅中(宿泊施設内を含む)・旅後まで言語とコミュニケーションやそれ以外にも多くの困難を感じているケースなどが多かったのです。一方で、宿泊施設様側では上述の課題が明確でした。
文化や常識も国内と海外では差違がありますから、互いに認識の齟齬があったり、コミュニケーション齟齬があったりというケースもありました。それらを解決するにはどうしたらいいかを中長期の観点で考えた結果、「宿泊施設をHUBとした循環型地方創生・スマートシティ化」という結論に至り、将来を見据えながら開発・事業化に踏み切りました。PDCAを高速で回す事を重視し、柔軟性は保ちながらも即断即決でプロダクト開発に取りかかりました。

COVID-19が世界で蔓延した際に、あらゆる環境や前提条件が大変化しウィズコロナやアフターコロナを見据えて、より宿泊ゲストや宿泊施設や施設運営に携わるパートナー企業が痛みを抱える部分のプロダクト・サービス開発に速やかに方向転換し、Pivotを繰り返し現在のサービスへと進化しましたが、これからも進化し続けてまいります。理由はCOVID-19により世界中で「非接触・非対面」という音声技術などを活用としたサービスが世界中で一気に注目され、求められるようになりました。皮肉にもDXが進んで来なかったあらゆる業界から変化が起き、サービス導入検討の問い合わせが急増しているため、社会課題が解決されるスピードが加速されたと感じています。

◎今後の事業展開を教えてください。

まずは、地に足をつけて足元進めている事業をさらに磨き上げることです。BtoBtoCのVertical SaaSというビジネスモデルで常にお客様との接点を持つためプロダクトアウトではなく、マーケットインで継続したサービス向上が可能です。お客様が痛みを感じている課題を継続して積み上げ、優先順位をつけ、解決を進めています。その中で、多様なお客様に共通する課題を抽出し、痛みのある機能をシンプルに実装することをチーム全員が心がけています。現場の生々しい課題を理解しないまま勢いでサービス開発をしても課題を解決できる良いサービスにはならないと考えていますし、環境や前提も都度変わりますから、その中で、柔軟かつ迅速にお客様に最大の付加価値をどう提供していくのか、という本質を突き詰めて考えています。

今後の展望については、観光・宿泊業界はもちろん、航空、飲食、小売、ヘルスケア業界に貢献・寄与していく予定です。国内外の協業・共創パートナーとステルスで事業を進めています。1社のみでは大きな社会課題解決は困難だと考えているため、オープンなプラットフォームでオープンイノベーションを事業会社、各地域行政、教育機関含め各々強みや特徴を発揮できる分野で協力しながら世の中の社会課題解決を進めていく方針です。
真の意味で世の中の課題を解決し、雇用を創出し、各都道府県、各種行政・自治体、国益に寄与し、各国との国際協調を進めていく事に関しては事業会社1社だけでできることには限界があると考えています。今後も国内外のパートナー企業などとオープンイノベーションという形で、COVID-19で露呈した社会課題の解決を進めていきます。

そのためにも「三方よし」、「四方よし」が重要だと考えています。協業・共創パートナー含めて「よし」です。短期的に不利を追うのではなく、中長期的な目線で社会課題をパートナーと一緒に解決しながら雇用を生み出し、社会や国益に寄与・貢献・還元していく考えです。

アジアや世界展開も視野に考えています。海外動向を観ながら、どのタイミングで、どの地域に、どういった形で、どういったパートナーと一緒に、ということは常々考えています。

国内外の各地域行政や、企業、そこで生活されている方々も含め、協力し、連携していくことが大切と考えています。

◎早稲田での思い出はありますか?

沢山あります。私は新潟県の田舎出身です。都会の真ん中にある早稲田大学に入学し、少し大袈裟かもしれませんが「ここは同じ日本なのか」くらい、人の数、あらゆる価値観や考え方を持つ人、なぜ皆そんなに何かに追われるように急いでいるのか、階段で高齢者が転んで倒れていても素通りしている目を疑う光景など。

また、電車の乗り方は慣れるまで大変でした。大学は新宿駅が近いので、「南口に出るにはどうしたらいいの?」というくらい駅の中で迷い続けていました。良い意味でも、悪い意味でも自然とともに育った田舎から出てきたばかりの学生でした。

大学に入ってからは日本全国各地、海外留学生と多くの出会いがあり、様々な考え方や価値観に触れ、将来の夢を明確に持っている方々と対話を通じて沢山の刺激を頂きました。海外留学生と対話する中で常識はあらゆる国や文化で異なり、違うのが当たり前。一方で、時代も国も問わずに普遍的なことが存在していると気づきました。「海外から観ると常識ではなく非常識。」必然的に自己の体験や経験で世の中を観てきたため、常識の範囲、それ以上に物事をあらゆる角度から観る視野がとても狭かったということに気づきました。

現在もとても信頼している付き合いの長い友人が、交換留学制度を活用し海外に行くと言い出し、受験時代にタイムスリップ。家に籠り、寝る時間以外は集中して英語を勉強し、TOEFLのスコアを上げました。論文と面接とこれはおそらく受からない程度のスコアを提出し、運よく突破。1年間USのオレゴン州に交換留学する事が出来ました。

日本で出会った海外の方は日本が好きで留学されている方が比較的多いという印象、事実があったのですが、留学先では全くそうではない方々と出会いました。人種のるつぼであるUSでは、国内外からあらゆる国籍、文化、価値観、夢を持つ方々が集まり、一緒に時間を過ごす中で、さらに自分の常識、考え方、物事の見え方、捉え方、価値観が変わっていきました。国内で世界を観た後に国外から日本を含む世界を客観的に観たことで、常識や価値観などが一変していきました。

学生時代はやんちゃも沢山しました。大変な経験はそれなりにさせていただいたのかなと思います。おそらく私の先輩の方々からすると『それって本当に大変?』といった感覚なのかもしれないですが、人生は選択の連続。どちらに行くべきか迷った際は、自分に負荷がかかり厳しい方を、客観的に過去を振り返りますと無意識に選んできています、今は意識的に選んでいます。

また、「わせ弁」は思い出です。300円程度のわせ弁を友達とワリカンして買って半分ずつ食べるみたいな。アルバイトしても無駄遣いできませんし、色々な仕事をしましたけれども、食費や食事には気をつけて、学費返済や留学費用のために少しでもお金を貯めようと考えていましたので。泥臭い経験というか、学生らしいと表現すると語弊があるかもしれませんが、貴重な経験は全てさせて頂いた、と思っています。
最後に、学生の頃も生きる事で精一杯でした。―「変わらずに現在も」です。
起業する事は昔から決めていましたし、両親や家族にも伝えてはいましたが退職する際は心配をかけたくなかったので相談はせずに黙って、突然大企業を退職し起業しました。(逆に心配かけてしまったかもしれませんが。家族含め、関わって下さる周りの方々に一切の迷惑はかけない覚悟で腹を括り、自分自身は全てを失う覚悟で起業し、現在に至ります。

私の現在の年収は法律上、最低所得の範囲です。生きるための最低限で十分です。世界の課題を解決しようと本気で考えているので一切の迷いはありませんでした。目標達成のため現在も365日、祝祭日もなく働いています。

ステージやビジネスモデルによっても変わると思われますが、上記がおそらく沢山のベンチャーを私も外側から観てきましたが現実だと思われます。実際にバッターボックス側へ立って両方の景色を観てリアルに感じています。

今後、起業される方々は沢山の良い経験も辛い経験も、修羅場も体験すると思われますが、現在やれることを関わって下さる全ての方々の色々な立場や事情を考えながら、皆が考える成功や夢を達成し叶えるために全力で夢中でやり続ける、何度もバッターボックスに立ち続ける、失敗してもフルスイングで前を向いて前進する。

好きな分野で起業されるなら全てを受け入れた時点で困難含めて夢中になれると実感しています。起業が全てではないですが、何かにチャレンジをされようと考えている、または既に起業されているあらゆる皆様を引き続き応援してまいりますし、応援をお願いいたします。力を合わせ、日本、世界を元気にしていきましょう!!

最新記事