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7億円資金調達!早稲田大学発のベンチャー企業「bitBiome㈱」インタビュー

7億円資金調達!早稲田大学発のベンチャー企業「bitBiome㈱」インタビュー

2018年11月創業、早稲田大学発のベンチャー企業「bitBiome㈱」が8月24日に7億円の資金調達に成功された旨のリリースを出しています。すかさず連絡させていただき、資金調達に苦労するベンチャー企業やスタートアップのためにインタビューをしたいとお伝えしたところ、大変お忙しい時期であるにもかかわらずご快諾いただきました。以下では創業者でCSOの細川様にインタビューをした当日の様子をご紹介します。

回答者:bitBiome株式会社 創業者 取締役CSO 細川 正人 様
インタビュアー:ベンチャー稲門会事務局長 戸塚直道

事業・ミッションについて

■ 御社の事業についてお聞かせいただいてもよろしいでしょうか。

私たちは研究開発型のベンチャーであり、早稲田大学で教職員として研究に携わってきて開発した技術をもとに創業にいたった会社です。技術的な分野でいうと、広範ではバイオ・ライフサイエンスになりますが、特に注目しているのは微生物であり、強みは新しいゲノム解析技術です。より具体的には、正体がわからないけれども資源としての価値を秘めた微生物に焦点をあて、微生物と病気との関連の解明や微生物の作る有用な物質の応用について、医療機関・大学・企業との共同研究等を進めています。

■ 御社のミッションについてお聞かせいただいてもよろしいでしょうか。

“Unlock the Potential of Microbes”をミッションとして掲げています。微生物の可能性を開放していくという意味です。微生物は私達の日常に深く関わっています。身近なところで言えば抗生物質、もっと身近で言えば納豆も微生物のちからを使って作られています。健康とのかかわりでいうと腸内細菌。腸内環境を整えるための商品等が登場しています。このようないい微生物ばかりではなく、中には悪さをする微生物もあります。それらをどうやって制御していくのか等、まだまだ研究が必要な領域です。私たちはその実態を明らかにする研究をしています。

■ 細川さんが開発されたシングルセルゲノム解析技術についてお聞かせいただけますでしょうか。

ゲノムという遺伝子の塩基配列を、たった1つの細胞からでも丸ごと読み取れるという新しい技術を開発しました。これまでは塩基配列を読み取るには沢山の細胞が必要でした。培養が難しい場合には、全く種類の異なるたくさんの細胞をかき集めて分析するのが従来の手法でした。1つの細胞を見るということは従来の技術では難しく、試料が少しでもロスしてしまっていると研究に扱うことができません。シングルセルゲノム解析技術は、ロスをなくす特殊なプロセシングをする技術です。研究期間は早稲田大学で5年程、コアになる部分については3年半程を費やしました。

■ この技術により実現していきたいことは何でしょうか。

最近は、腸内細菌を利用した治療や創薬が注目されています。国立がん研究センターで大規模ながん患者の便をたくさん集めて腸内細菌のゲノムを見るといった研究も進めています。農作物も育つためには微生物が大切であることが最近わかりました。彼らが栄養を取り込む手助けをしているんです。土壌細菌と農作物の関係も研究が進んできています。
我々は微生物の解析によりこうした新しい診断の技術や医薬品の開発に結び付けていくプラットフォームを実現していきたいと考えています。

資金調達について

■ 今回の資金調達(エクイティ)に向けた準備はいつごろから始められましたか。また、何社くらいの投資家を回られましたか。

準備を始めたのは去年の11月頃です。コロナの影響もあって長期化してしまいましたが、当初は3、4月頃のクロージングをイメージしていました。回った投資家は20社程度です。

■ この状況下での資金調達に成功した要因は何でしょうか。

まず、リード投資家の影響は大きかったと思います。シリーズAから入ってくれたUTECの存在は大きく、1社の資本が入っているかどうかで印象は全然違います。以前のその投資があったため安心して進めることができました。
新しい技術の理解だけでなく、ミッションや事業モデルに共感いただき、将来性を評価していただける投資家を探すことが重要でした。

■ コロナ禍での資金調達において苦労されたことはありましたか。

3月あたりから面談が全てリモートになってしまい、勝手がわからないまま慣れない状態でプレゼンをした時期がありました。リアルで会ってこそ伝わる熱量も、なかなか伝えることができずプレゼン後の感触も読みづらかったです。一方でオンラインに移行したことで多方面の人とコンスタントに話ができるというメリットもありました。

■ コロナ禍においてやりづらいことも多々あったと思いますが、何か工夫されたことはありましたか。

CEOの藤岡、COOの佐藤がメインで動き、技術的な質問がきたら私が答えるようにしていました。こうして役割を明確にして対応したことで対応がスムーズになりました。また、オンラインを活用し、様々な相談・プレゼンが多方面にできたためプレゼン資料をアップデートし続けることができました。

■ 投資家に対して特にPRしたことがあれば教えてください。

技術の革新性と、それによる新しい情報に対する魅力です。また、創業から2年経っていませんが必要なメンバーが集まりチームを構成することができている点が評価されることも多かったです。

■ そのメンバーはどうやって採用されたんでしょうか。

まずCEOの藤岡は社外取締役の宇佐美さんの紹介です。2人は東大の薬学部で同期でした。また、COOの佐藤は藤岡のサークルの同期です。初期の採用は友人や過去の職場での同僚などのつながりが多いです。信頼できる人物からの紹介であれば間違いないと思っており、製薬会社で事業開発をしていた人や監査法人で会計士をしていた方等、重要なポストを早い時期に入社させることができていました。設立当初は役員のみで2名でしたが、現在は役員含めると15名になります。今回の資金調達の目的の一つに採用の強化があり、市場が大きいアメリカに拠点を持つことを視野に海外で活躍してくれる人材の採用を検討しています。

■ バリュエーションについてはどのように投資家と交渉をしましたか。

いつどこで切り出すかが難しかったです。バリエーションが課題になって見送り、ということもありました。まずはバリエーションより事業内容を理解いただく必要があると思いプレゼンをし、次にこういう事業モデルだと過去、こういうバリュエーションがついた、という事例を提示することもありました。

■ 投資契約のやり取りにおいて気を付けるべき点、アドバイスなどがあれば教えてください。

契約書は専門的な領域であるため詳しいメンバーで確認するだけでなく、外部の方々にも意見を聞くようにしていました。

bitBiome㈱は専門的なスキル・ノウハウをもったプロフェッショナル集団であると理解しました。限られた時間の中でのインタビューでしたが、微生物には様々な可能性があると感じました。多大なる可能性に満ちた同社を応援していきたいと思います。ビジネスとしてご関心をお持ちいただいた方は以下のリンクの問い合わせフォームからご連絡いただくか、vtomonkai@gmaii.com(ベンチャー稲門会事務局)へご連絡いただければおつなぎいたします。
(インタビュアー:ベンチャー稲門会事務局長 戸塚直道)

企業HP:https://www.bitbiome.co.jp/

以下、HPよりご紹介文を引用します。

■bitBiomeについて
bitBiome社は2018年11月創業の早稲田大学発ベンチャー企業です。当社が開発したゲノム解析技術bit-MAP®は、世界唯一の微生物を対象としたシングルセルゲノム解析技術です。本技術は、地球上のあらゆる環境に生息する微生物のゲノム情報をたった1つの細胞から高精度に解読することを可能としました。本技術によって、従来のマイクロバイオーム研究で必要とされてきた煩雑な単離・培養、あるいは複雑なシーケンスデータの計算処理の必要なく、未知の微生物ゲノム情報を高速かつ網羅的に獲得することが可能となりました。当社は、本技術を次世代のマイクロバイオーム解析サービスとして提供し、医療・農業領域を中心にあらゆる微生物関連の企業・アカデミアとの協業を通じて、当社Mission である “Unlock the Potential of Microbes” を実現し、社会へこれまでない価値を提供いたします。

※詳細については https://www.bitbiome.co.jp/をご覧ください。

 

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